長野県地理学会とは

「長野県地理学会」ができたのは1971年(昭和46)で、50年以上の歴史があります。また長野県地理学会の前身である「信濃郷土科学研究会」が結成されたのは1948年、戦後間もないころでした。ここから80年近くにもなります。その研究会の創立時に発足会が、信州大学教育学部で開催され、講師として田中啓爾先生を招いています。田中先生は言うもでもなく、日本の近代地理学における最大の貢献者のひとりで日本地理学会の会長を歴任し、大塚地理学(東京教育大学地理学教室)をつくられた先生でもあります。先生は信州人についてこう述べています。「信州人には研究心が旺盛な人が多いような気がする。旧制県立諏訪中学校の地理担当の教諭三澤勝衛君は私の大好きであった一人であるが、(略)。三澤君がこれだけ業績をあげられたのは、同僚や社会に理解があったということと、彼の科学的探究精神に反立する教え子がいたということである。この理解と反立とをもつ信州という土壌が、三澤君の真価を発揮させたといっても過言ではないだろう、その他河野齢蔵と名著『上高地』を書いた矢沢米三郎、鉱山学の八木貞助、古今書院の創設者橋本福松のところでは橋本が伊那の小学校教員をしていた時、毎日出かけて伊那谷の段丘図を作成していた。このように信州には学者育成の土壌がある。」

また県地理学会の初代会長の小出武先生がこんなことをおっしゃっています。「創設以来本会が堅持してきた特色は、会の性格を純粋地理学に求め、毎年の大会も主目的を会員の研究発表と地方巡検においていた。そのため大会会場も年ごとに変え、県内各地の地域性の解明につとめている。」とあり現在もこれを堅持しています。

お二人のご意見を反映させている本会員は、長野県だけでなく全国や各方面で講演や発表、学校の授業、役所や一般社会等の仕事で活躍をしています。また本会は年二回に会合を開催していて、まず二月中旬の例会で信州大学教育学部において実施され、会員と信大等の卒論発表を行っています。次に8月の定期大会では県内各地や周辺県のフィールドワークと発表会を二日間で実施しています。

以前からもどなたも参加できる学会を目指しています。会員にならなくても学会の会合に来ていただく方もおられます。是非興味や関心があればご参加ください。

長野県地理学会 会長 市川 正夫